「マンダレー」
「 トングー 」攻略戦
「トングー」近くで二小隊中村隊は配属を解かれ中隊に復帰した、岡根班も中村小隊
の指揮下にいる。「トングーは城壁に囲まれた街であり、案の定、敵は頑強に抵抗して
一歩も退かない。こうなると工兵隊の出番で城壁爆破の特攻斑が編成され我が小隊から
も長曽・吉林班がこの任に当った。第五五師団は山砲だけで他に重火機が無いが、工兵
隊には爆薬投擲機があるので五キロの爆薬を敵弾筒と同じように敵に向かって打ち込む
と、さすがの敵も音に驚いた模様である。
夜も明けて朝の太陽が強く輝き始めたその時、敵陣で砲弾が炸裂して山は裂けんばかり、
辺り一面真っ暗くなった、余りの激しさに友軍にも損害が出はしないかと思うほどだった。
これが応援に駆けつけた野戦重砲第三聯隊の十五榴による砲撃であった。
三月二九日、「トングー」は陥落した。