下士官教育・暗号教育
作業中に「タンガップ」に於て、下士官候補者の教育を実施する事になり、第二中隊
より石川・黒川・津田の三名、第三中隊より鎌田・松本の計五名である。教官には、中村
中尉がなった。
中村中尉は編成当時からの小隊長で、その部下として指導を受けていた。
教育中に「タンガップ」の部落が、焼夷弾で火災を起し大火となった。中村教官が下士
官候補者を引率し小高い丘に登り、風の向き、火災場所、等を指導して頂いたのが、今
でも頭の中に残っている。
その後、ラムレ島の調査に行った、長閑な部落が多く、戦争が無ければこんな楽園はな
い、親日的で裕福な様であった。兵部隊が駐屯していたが、撤退するとき大変部落民が
協力してくれたとの事である。
二月一日附伍長に任ぜられる。
八月一日より九月十六日まで、第五十五師団司令部「アキヤプ」にて師団に於ける暗号
教育を受ける。
教育中に師団司令部は二回に亘り爆撃を受けた、我々の入る防空壕が無いため、床に伏
せたまま耳に栓をして頑張った、至近弾のため頭から砂を被ってしまったが怪我はなか
つた。