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「メイミョー」陸軍病院跡現在兵舎元日赤看護婦さん達

 入   院

 九月二一日、「ミートキーナ」「サンプラバン」間の自動車補修作策が終了すると同時
に「マラリヤ」にかかり、ようやく「マンダレー」迄たどり着いた。ちょつと様子を見
たが、回復しないので第四野戦病院に入院する事になつた十月四日である。
入院してみると、衛生兵に徒弟の石川精一郎が居て、早速何かと面倒を見てくれた毎日
きまった様に四〇度近い熱が出るその都度、氷を持って来てくれて有難いなあと思った。
病院は患者で一ばいのため「メイミヨー」の兵站病院に行くように言われた。
「メイミヨー」は日本の軽井沢の様なところで海抜一〇〇〇米、汽車は前後に機関車が付
いて、何回か「スイッチバック」して登っていった。十月ともなると朝夕はちょっと冷
える感じがしたが、雨期も終って爽やかな晴天続きである。病院のため一度も外を散歩す
る事ができなかった。
十一月十二日退院して部隊に復帰する。帰りの汽車の中には、鉛の「インゴット」が積
まれその上に敷物を敷いて乗った。