あとがき
この思い出の記を書いてみて、戦後五十年は変化に満ちた人生だったと思います。
大東亜共栄圏確立のための旗印のもと若い血潮をもやし、数千キロも離れたビルマ
の地で最初から最後まで頑張った。しかし、日本は負けてしまった。それでも東南
アジアの国々は、殆ど独立し殖民地は無くなった。
最後にアメリカを相手にして、枯れ葉をまかれ、林は無くなっても、地下に潜り、
独立をかちとったベトナム人は偉大である。
クチトンネルで最後まで頑張った陣地を見て感心させられた。
私は、大東亜戦争は侵略戦争とは思わない、東南アジア諸国独立の口火を切った戦
いと思っている。
ビルマで戦って、現地に骨を埋めた、十九万の英霊に対しても、東南アジア諸国独
立の礎となったと思って頂きたい。
この戦記を残し、平和を願い二度とあんな悲惨な戦争を起こさない様にしたいもの
である。今後作られる、歴史が何処で、どんな風に曲げられて、後世に残るのか今
のところ詳らかでない。願わくば、真実を伝えたいものである。