6 佐々連鉱山の位置
佐々連鉱山は四国脊梁山脈のほぼ中央に位置する佐々連尾山 (海抜一,四六〇メートル)の北側、一,〇〇〇メートル付近 に位置して東より金立坑、佐々連坑、金砂坑と三つの坑口が 有り、そこから鉱石が掘り出されていた。鉱山事務所は 海抜八五〇メートル付近に有り、ここに来るには三島町より 二つの山を越えなければ成らない。海抜六五〇メートルの翠波峠、 次に海抜八五〇メートルの熊臼峠(後に一服峠)、その間に 海抜三〇〇メートルの銅山川(吉野川支流)がある。大人の足で 四時間、女、子どもで五時間が普通にかかる。
金砂ダム建設現場
一番上の海抜1,000メートル付近に社長の家と並んで職員合宿それから下に長屋が建っていた。 途中に大きな一本杉が有った、この長屋は一本杉長屋、一つ一つ名前が付けられていた。 谷の端に鉱夫飯場、手子飯場、谷の向いが風呂場、谷股に調進。一日中日の当たらない北海長屋、 広場を利用して建てた棟割り長屋、誰も行かない地獄長屋、後に出来た朝鮮長屋、 事務所向い選鑛場の上に新長屋が三棟程建っていた。選鑛場の下からは架空索道により 鉱石が海抜1,200メートルの山を越え金砂駅、押淵駅を経て江之元駅に送られていた。 一般食料品、日用品、特別注文品、新聞等は帰りの搬器に積まれやってきた。 一般食料品、鮮魚等は何時も新鮮なものばかりだった。 調進では冬になると酢瓶、サイダー瓶が氷割れて困っていた。