22 入 院
<
九月二一日「ミートキーナ」「サンプラバン」間の自動車道
補修作業の途中移動命令により「マンダレー」まで帰った。
その頃より「マラリア」のため毎日発熱し回復しないので十月
四日第四野戦病院に入院する事になった。
入院して見ると従弟の石川精一郎が衛生兵で勤務して居り、
早速何かと面倒を見て貰った。しかし野戦病院は患者で一杯のため
「メイミョー」の兵站病院に行くよう言われた。「メイミョー」は
日本の軽井沢の様なところで海抜一,〇〇〇メートル、
「マンダレー」から汽車は前後に機関車を取付けて何回か
「スイッチバック」しながらのぼって行った。十月ともなると
一寸朝夕は寒さを感じた。雨期も終わって爽やかな秋晴の天気が
続き、身体もぐんぐん良くなった。折角の「メイミョー」も
外出する事無く十一月十二日退院して部隊に復帰する。